公認心理師と臨床心理士の資格を持ち、依存症の治療を行っているゴリラです。
今回はゲーム依存症の治し方の実際について解説します。
ゲーム依存症の知識や予防については以前解説しましたので、そちらも見てくださいね。
特に予防はとっても大事!

それではゲーム依存症の治療について解説しています。
ゲーム依存症の治療
ゲーム依存症の治療は長い道のりになります。
大きく分けて以下の3つのカテゴリがあります。
・心理、精神療法やスキルトレーニング
・場合によっては服薬
・デジタルデトックス
になります。
個人カウンセリング
医師や看護師、心理士による個人カウンセリングが行われます。
まずは、ゲーム依存症の知識を吸収する「心理教育」を行います。自分がかかっている病気について知らなければ、太刀打ちできるはずがありません。医療者からゲーム依存症についてわかりやすく教えてもらいます。
この「心理教育」の効果はゲーム依存症がどんな病気なのかを学ぶことで、自分の状態を自覚することが出来、客観視しやすくなります。説明を受けていくうちに「自分にもそういう経験がある」「まさに自分のことだ」と納得できると、自分がゲーム依存症だと納得しやすくなります。
個人カウンセリングの目標は自分自身で「ゲームとの付き合い方」を決めることです。
そのためにはゲーム依存症の基本的な知識に加えて、自分がゲームによって何が起こってきたのかをしっかり振り返らなければなりません。
個人カウンセリングではゲームによって起こった問題を振り返り、内省していき、ゲームとの付き合い方を決めていきます。
ゲームとの付き合い方を決めたら、実際にやめるための計画を立てたり、アドバイスを行ったりします。
集団精神療法
同じゲーム依存症の人達が集まって精神療法を受けます。
個人カウンセリングと同じように、ゲーム依存症の知識について医師や看護師や心理士から説明を受ける「心理教育」が行われます。
個人カウンセリングとの大きな違いは、みんなで一緒に勉強するという点で、他の人の経験や意見を聞くことが出来ます。その中で「自分も同じ経験をした」「わかるわかる」と言った共感が起こりやすく、個人カウンセリングよりも自然にゲーム依存症について学ぶことが出来ますし、納得しやすいです。
自分の経験や意見を他の人に真剣に聞いてもらえて、共感してくれるということもすごく大事な経験になります。
みんなが同じ方向に向かって頑張ることはモチベーションの維持になりやすく、「あの人が頑張っているんだから自分も頑張ろう」という気持ちが起こりやすいところも集団の良い所です。
スキルトレーニング
ゲーム依存症者の多くは不登校の問題も抱えています。
その背景には、元々人と関わることが苦手であったり、学校自体に適応できなかったり、自分のストレスにうまく対処できないなどの社会的な苦手さを抱えていることがあります。
この社会的な苦手さからゲームに逃げ込んでいる人も多いので、「ソーシャルスキルトレーニング」を行います。
人と上手に関わるにはどうしたらよいのか、無理のない人間関係の構築、自分の意見や考えを上手に伝える方法、ゲームに頼らないストレス対処の方法などを学んでいきます。
社会的への適応に困難が多いと、ゲームだけ取り上げたところで逃げ道を奪ってしまうだけになります。社会に少しでもうまく適応できるようになると、ゲームに逃げ込む必要がなくなり、使用が減ることにつながります。
家族教育
意外に思われるかもしれまんが、家族に対するアプローチも非常に重要です。
依存症は家族が絶対に巻き込まれてしまう病気です。親であれば子どものゲームを止めないわけにはいきません。
家族としてもどうやって関わればよいのか不安でしょう。
そこで家族会などが開かれ、家族に対する基本的な関わり方を学んだり、他の人はどうやっているのかを知ることで安心ができたり、回復見通しが立つと希望が見えてきます。
せっかく子どもが変わり始めても親の関わり方が変わらなければ、ゲーム依存症の治療が進んでいかない可能性がありますので、家族も本人も一緒に学ぶ必要がある病気です。
ゲーム依存症の家族会などもありますので、家族にゲーム依存症の人がいる人はぜひ参加してみてください。
ADHDの場合は服薬も
依存症に対する特効薬は残念ながらありませんが、ゲーム依存症では高い確率でADHDが併存すると言われています。
簡単に言えば、落ち着きのなさや飽きっぽさ、あるいは熱中すると過剰であるといった傾向を持つ発達障害です。
ADHDに関してはこちらの記事で簡単に解説してますので、見てみてください。
ADHDを併存しているゲーム依存症の場合、ADHDの薬(コンサータ)を投与することでゲーム依存の症状が軽快したという研究結果があります。
これだけで根本的な解決になるわけではありませんが、症状が軽快することは大きな一歩となります。
またゲーム依存のみならず、ADHDの症状で悩んでいたことや、社会でうまくいかなかったことが、うまくいくようになる可能性もあるので、思わぬ良い効能があるかもしれません。
うつ病との併発も服薬が有効
ゲーム依存症にうつ病が併発しているケースでも投薬が有効と言われています。
ゲーム依存症に限らず依存症とうつ病というのは合併するケースが多く、うつ病が先で依存症を発症するケースと、依存症が先でうつ病が発症するケースのどちらも良くあります。
うつ症状があるケースで抗うつ薬を処方するとゲーム依存の症状が低減するとの研究結果があります。ADHDの場合と同様、薬だけでゲーム依存症がたちまちなくなるわけではありませんが、症状が良くなる場合があります。
デジタルデトックス
ゲームから完全に離れた環境を作る「キャンプ」を行います。
実施しているところによりますが、1週間程度のキャンプを行ってデジタルデトックスをします。
キャンプの目的はもちろん、ゲームから長期間離れることです。
また自然の中でゲーム以外の楽しみをしっかり味わい、ゲーム脳から脱却します。自然と一体となり、人間が本来持つ自然な状態へ脳を戻していきます。
キャンプ中はこまめに面談が組まれ、どんな体験が出来ているか、ゲームについてどんな考えがあるか、今までを振り返ってどう思うか、などが話し合われます。
また他の児童との関わりも促進され、生の人間とのリアルな対人関係を通して、他者との協調、人と関わることの楽しさも体験します。
根気よく治療を続けることが大事
ここまで治療法を様々解説してきましたが、依存症には特効薬もなければ、一発で治るような方法はありません。
一歩一歩少しずつ進んでいき、何年もかけてゲーム依存から回復していかなければなりません。
途中で、逆戻りしてゲームがやめられない状態になることも一度や二度では済まないでしょう。
それでも意味がなかったと悲観せずに、また依存症回復のために治療を続けることが大事です。諦めなければいつかは回復していけます。諦めてしまえばゲーム漬けの毎日が続くだけです。
治療の先に回復の道が必ずあると信じて、根気よく治療を続けていきましょう。



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