公認心理師と臨床心理士の資格を持ち、依存症治療のプログラムを行っているゴリラです。
今回はアルコール依存症の治療について解説します。
アルコール依存症についての解説は前回の記事をご参照ください!

まずは入院治療
アルコール依存症は自力で治すのはほとんど不可能なので、医療の力を借りるのが最も代表的なパターンとなります。そのため入院治療が一般的です。まずはアルコールを身体から抜くということ、またお酒を抜いたことによって生じる様々な症状に対処するため入院します。そして栄養のコントロールをし、まずは身体の健康を取り戻していきます。
入院治療で行うこと
依存症の専門治療を行っているところでは、依存症治療プログラムが行われます。
①依存症とは病気なのか知識を吸収
②お酒によって自分に今まで何が起こってきたのかの振り返り
③同じ依存症患者同士でミーティング
このような活動を通して、これからの人生お酒とどう向き合っていくべきなのか考えていただきます。
では退院したら、晴れてアルコール依存症は治るというわけでしょうか?
いいえ、むしろ退院が治療のスタートラインです。
断酒の三本柱
入院中に「断酒をする」と決めた人は退院後から断酒への道を歩み始めます。
断酒を継続するためには3つの重要な要素があると言われています。
①通院
②服薬
③自助グループ
通院と服薬は定期的に行いましょう。もし再飲酒してしまっても、通院だけは続けていると、最悪死ぬ可能性は減りますし、また入院して再スタートすることができます。また断酒を継続している人は、断酒の状況を医師に報告することがモチベーションにもなるでしょう。
では自助グループとは?
自助グループ
依存症治療に最も重要だと言われるのが、この自助グループです。
自助グループとは「自分たちで助け合うグループ」つまり依存症の人達が集まってお互いが断酒し続けられるように助け合うグループのことです。
自分の経験を話したり、どうしたら断酒ができるのかアドバイスし合ったり、断酒に失敗してしまった人の話を聞いて同じ失敗をしないように気を付け合ったりして、活動しています。何十年も断酒しているメンバーがいると「自分もああいう風になれるように頑張らないと」と思い、力をもらえます。
とある研究では、3年以上断酒を継続している人の8、9割が自助グループとの関わりがあったとされています。
日本全国に主に「断酒会」や「AA」と呼ばれる自助グループが活動しています。また依存症専門治療病院があると、そこで自助グループに近い内容の活動をしていることがあります。
この自助グループに通い続けるということが、依存症治療の最も重要な要素となります。
最後に
アルコール依存症の治療なのに、重要なことは自助グループというのは意外に思われる人もいるのではないでしょうか?
医療がなんだか脇役のようですよね。
残念ながら現代医学は依存症に対してあまり有効な手立てを持っていないのです。患者同士が自分たちを助け合う、結局これ以上に効果のある方法がいまだに発見されていません。
裏を返せば患者同士が自発的に始めた「自助グループ」という治療システムは革命的な発明だったと言えます。
一医療者としては、医療の力が及ばないことに申し訳なさを感じつつ、自助グループに通って断酒を続けていらっしゃる方々は本当に尊敬しております。

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